「ゲーミフィケーション」のゲーム視点からの脱却!?

「ゲーミフィケーション」において、最初の第一歩がどうしても「ゲーム」という視点から入ることになります。ただ、実はその視点から脱却することが大切だったりするのですがここの説明をどうすればうまく出来るのかがここ最近の最も大きな悩みです。僕の説明もあまりうまくなく、そこを短くわかりやすく伝えるのはどうしたらいいんだろう??と考えているのですが、ともかく短くなくても伝えようとしてみようと思い本ポストです。

ゲーミフィケーションは、言葉からしてゲームを強く連想させる語感があります。実際、その定義上「利用者を動機付けるためにゲームで使われている要素をゲーム以外の領域で使う」ですから、ゲームで用いられている何かしらの「要素」を応用するわけです。ただしゲームで使われている要素を使う、というのは極めて手法論な話です。本来としては「利用者を動機付ける」ことが目的であり、根っこにある部分です。そのためにゲームで使われている要素は非常に有効に機能するという順序で考えるのが筋です。本タイトルをゲーム視点からの脱却、としたのもその順序がポイントになるからです。

本来が利用者の動機付けにありますから、よく僕も触れているように心理学や行動経済学の知見も合わせるとより有効に使うことができます。ゲームで使われている要素も、敢えて学術的な見方をするとこうした心理学や行動経済学の観点から説明ができることも色々とあります。例えば心理学の理論の1つである「フロー理論」なんていうのはそうしたものの1つです。
利用者が楽しさを感じ続けるためには、利用者の能力と提示される課題の難易度がちょうどいいバランスで吊り合い続ける必要がある、という考え方はゲームバランスチューニングの考え方そのものです。

ただ、ゲーム視点ありきで考えるとこの順序が逆になってしまいがちです。「バッジやレベルのようなゲームの要素を入れればいい」という理解ではゲーミフィケーションがうまく機能しない事が多いのは、利用者の動機にフォーカスが必ずしも当たらないためといえるでしょう。また同時にゲーム要素とは何かということについて、プレイヤーとして眼に見えることだけではなく背後にある考え方やプレイヤーを離さない仕掛けについての視点を持つことも大切です。

「ゲーム要素」が指し示す範囲は実は非常に広いのです。「バッジやレベル」というのものはそのほんの一部に過ぎません。特にこうした表面に見えるゲーム要素だけではなく、「何をどのタイミングで見せるのか見せないのか」という可視化とゲームバランスチューニングの考え方、「初めての人にはなるべくわかりやすく伝える」というチュートリアルという考え方、「物語、世界観の作り込み」といった演出手法、など抽象度の高いものもゲーム要素として応用できるものです。むしろこうしたゲーム要素こそが重要と言ってもいいかもしれません。この観点でゲームを眺めてみると、その応用可能性の幅広さや人間の心理・行動とのリンクがよりイメージ出来るのではないでしょうか。

また「ゲーム」といってもコンシューマゲームに限るわけではありません。例えば「PDCAサイクル」と呼ばれる改善手法は、コンシューマゲーム的なゲーム視点で考える時には基本的に登場するチャンスがありません。こちらはむしろWebの世界あるいはオンラインゲームの世界(もちろんソーシャルゲームも)でよく登場する概念です。データを見ながら仮説を立案し検証のための改善サイクルを回していく、というのはそれらの世界においては当たり前のことです。ただゲーミフィケーションの主要な応用領域であるマーケティング、あるいは従業員ロイヤリティといった場面においては必ずしも定番の考え方ではない場合も多いでしょう。データが取れるようになり始めたのがWebの普及とかなりの程度リンクしているためかと想像しますが、作って終わりではないという観点は以外に慣れていないとわかりにくい。

「ソーシャル性」もやはりコンシューマゲームな視点からは出て来づらいものになります。これは逆にプレイヤー視点だけでもある程度眼に見えるのですが、ビジネスパーソンの中でソーシャルゲームをしっかりプレイした経験のある人がそれほどまだ多くはないということも理由としては大きいのではと推測します。また同時に、ここでも抽象度を高めた視点でソーシャルゲームを眺めることが大切になります。

 

最近、テッククランチで見た記事に「「願望創出エンジン」の仕組みと実際(常習的ユーザの作り方)」というものがありました。この記事中ではゲームの話はもちろん、ゲーミフィケーションという言葉はほぼ登場しませんが、書いてある内容自体はまさに上記で述べたようなゲーム要素を他の領域に応用することとして捉えられますし、ゲーミフィケーションの根本にある「利用者を動機付ける」という目的と基本的には同じことが書いてあります。興味深い記事ですのでまだご覧でなければ是非ご一読を。

  • 目に見えない「ゲーム要素」こそが応用性が高い
  • 目的は「利用者の動機付け」、ゲーム要素の応用はそのための手法

この2つがポイントです。うーん、やっぱりだいぶ説明が長くなっちゃいました。。。視点の順序を逆にするということは説明がとても難しい。でも説明ベタでも言い続けないといけないことだと思うので、頑張ります。