ゲーミフィケーションが組織文化を変える? イベントレポート:9/13実践ゲーミフィケーション 岡村健右氏セミナー&ワークショップ

9/13に行われた「実践ゲーミフィケーション 岡村 健右氏 セミナー&ワークショップ@Dots
〜ゲーミフィケーションの基本を学んで実際に考えてみよう〜」に参加してきました。

今回は、セミナーの様子と、そこから得た気づきについてまとめてみました。
少し長くなってしまいますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

イベント詳細ページはこちら:【実践ゲーミフィケーション】岡村 健右氏 セミナー&ワークショップ@Dots

 

講師紹介

岡村 健右(おかむら けんすけ)

株式会社ループス・コミュニケーションズ
ソーシャルメディアコンサルタント

講師プロフィール:
mobage、GREE、mixiなどのソーシャルアプリ、ゲームを得意とする
ソーシャルメディア・コンサルタント。オンライン、オフライン問わず
ゲーム要素を取り入れることでファンの活性化を図ることができる
「ゲーミフィケーション」について研究している。

Facebookページ「ゲーミフィケーション・ラボ」運営。
8月18日に著書「ゲームの力が会社を変える」を発売。

 

ブログ:http://media.looops.net/author/kensuke/
Facebook:http://facebook.com/kensukeo/
Twitter:http://twitter.com/kensukeo/

 

セミナーサマリー

まずは今回のイベントの流れを簡単にお伝えします。

・ゲーミフィケーションとは?
 岡村さんによると、ゲーミフィケーションとは「ゲーム要素を使って利用率・継続率を上げる
施策」のことだそうです。ゲーミフィケーションとは新しい概念ではなく、
以前からさまざまな場面で取り入れられていたとのこと。
また、ゲーミフィケーションとソーシャルの相性の良さについても触れ、
Twitterなどと連携した取り組みも紹介されました。

・職場でゲーミフィケーションを活用する
 いわゆる「エンタープライズゲーミフィケーション」について、
ここでは「シンクスマイル」という企業における事例を取り上げました。

・ソーシャルゲームに見るゲーミフィケーション手法
 ソーシャルゲームに存在する、ゲーミフィケーションに応用可能な手法を、
代表的な事例とともにいくつか紹介いただきました。

・ワークショップ
 セミナー後のワークショップでは、「身近(学校、職場など)にある、
ゲーミフィケーションで解決したい問題点は何か」をチームごとに考えた後、
「それらの問題のゲーミフィケーション的解決策」について考え、意見交換しました。

 

会社を変えるゲーミフィケーション:シンクスマイルの例

今回のセミナーの中で特に興味深かったのは、「職場でゲーミフィケーションを活用する」という
トピックでした。以下に岡村さんのお話を詳しく紹介します。

 

・シンクスマイルで起こった変化

シンクスマイルの社内システムでは、社員が感謝や褒める気持ちを表現した
バッジを贈り合うことで、楽しみながらお互いの行動を評価し合うことができます。
(詳しくは当ブログの紹介記事をご覧ください)

これらのバッジはすべて、シンクスマイルの「行動指針」に沿って設定されています。
つまりバッジをもらうということは、行動指針に沿った行動ができていると
ほかの社員に認められたことを意味します。

この施策の結果、

褒め合う文化が定着し、社員のモチベーションが向上した

・今まで表立って評価されることがなかった行動が評価され、
目立たないが重要な貢献をしていた社員が注目されるようになった

・なかなか実行・徹底できていなかった行動指針を
社員が自発的に意識しながら行動するようになった

などの効果が出ているとのことでした。

 

・オープンリーダーシップを実現するために

この事例紹介の後、岡村さんは「オープンリーダーシップ」という考え方に言及しました。

オープンリーダーシップとは、『フェイスブック時代のオープン企業戦略』の中で述べられている
新しいリーダーシップのあり方で、従来のトップダウン型リーダーシップとは対照的に、
組織内で積極的な情報共有と権限移譲によってフラットでオープンな組織を築き、
社員一人ひとりのリーダーシップと自主性を引き出すことを目指します。(詳しくはこちら

岡村さんは、「シンクスマイルはオープンリーダーシップ型の組織を実現している会社であり、
その背景には、同社の行動指針(オープンリーダーシップの概念にも重なる)を定着させることを
企図した、バッジシステムというゲーミフィケーション施策
がある」と述べた上で、

「これからの時代においては、すべての会社がこのような新しい形の会社になる必要がある」
と主張されました。

 

ゲーミフィケーションが組織をつくる

・組織の風土、文化にまで影響を与えるゲーミフィケーション

シンクスマイルの事例から読み取れることは、ゲーミフィケーションの効果は、
単に特定の行動をモチベートしたり、日々の仕事を少し楽しくしたりといったことにとどまらず、
文化形成や行動傾向にも良い影響を与えうる、ということです。

 

・ゲーミフィケーションが得意とする領域

どうしてシンクスマイルは成功を収めることができたのでしょうか?
もちろん、シンクスマイルが設計したシステムが非常によくできていたとか、
素晴らしい企業理念を持っていたなど、理由はいくつも挙げることができると思います。

しかしここで注目したいのは、「内的な価値や動機による自発的な行動を促す」という
ゲーミフィケーションの大きな特徴
が、優れた組織文化の形成や、
オープンリーダーシップ型組織の実現に非常に向いているのではないかと考えられる点です。

では、ゲーミフィケーションはマーケティングの世界では利用しにくいのでしょうか?
そんなことはありません。確かにゲーミフィケーションは、「とりあえず商品を買わせたい、
今すぐ買ってもらいたい」という要望を解決するマーケティング施策として、
短期的な利益増大を狙うことには不向き
です。しかし、ブランディング戦略の一環として、
ユーザーや顧客に自発的な行動を促し、中長期的なエンゲージメント向上を目指すのであれば、
ゲーミフィケーションは非常に効果的であると言えるのではないでしょうか。

 

・ゲーミフィケーションは企業運営のスタンダードに

今後、オープンリーダーシップ型の組織が求められたり、優れた組織文化・行動理念を
持った組織が求められたりするのであれば、ゲーミフィケーションの重要性というのは
ますます高まっていくと考えられます。

ガートナーが出している、2014年までに主要グローバル企業の70%がゲーミフィケーションを
導入するという予測
も、ますます現実味のあるものとして考えられそうです。
ゲーミフィケーションが企業運営のスタンダードになる未来というのは
さほどありえない話ではないと思います。

 

 

ということで、今回は岡村さんのセミナーの様子と、
そこから得た気づきについてまとめてみました。

岡村さん、素晴らしいセミナーをありがとうございました!