ソーシャルゲームの普及

なぜいまgamificationなのか?の続きである。

「ゲーム」という言葉から連想されるものは色々あるが、最も直接的にはfacebookのようなソーシャルネットワーク上で遊ぶことが出来るソーシャルゲームの普及ということがあるだろう。世界最大のソーシャルゲームプロダイバーであるジンガ社はユーザ数2億人を超え、先日リリースしたばかりのCityVilleもあっという間に利用者数は1億人を超えていった。Facebookユーザが6億人とすると、ユニークユーザの数え方の定義付けなど無視して、大雑把に30-40%くらいのユーザがジンガ社のゲームを何かしら遊んだことがある、という勘定になる。

wikipediaによれば、PS2の普及台数は2007年3月末 世界1億1,700万台以上、DSが2010年3月末時点の全世界累計販売台数が1億2889万台、とのこと。PS2の発売が2000年3月開始、累計出荷台数が1億台を突破したのが2005年11月、その間約5年8ヶ月。DSの発売が2004年11月開始、累計出荷台数が1億台を突破したのが2009年3月、その間約4年4ヶ月。CityVilleは2010年12月開始、2011年1月に1億人突破。もちろんCityVilleは無料でありビジネスモデルも異なるので単純比較してもしょうがないのだが、それでも驚異的なペースであることには間違いない。

こうした、「Web上でのゲーム体験」をする層が急速に増えている状況は、gamificationが受け入れられる土台が出来上がる背景としては大きい。新しいサービスが普及する上で、ユーザにとって受け入れられやすいかどうか・体験があることなのかどうかという点はとても重要だ。典型的にはレベル、ミッション、バッジ、招待や協同作業といったソーシャル性といったことに対しての体験がすでにソーシャルゲームであるユーザにとっては、そうした「ゲームメカニクス」が他のゲーム以外のサイトで導入されていたとしても「あああれね」ということで受け入れられやすい。なおかつ、同じWebブラウザ上での体験であるという点も、体験の類似性を考える上では見逃せないだろう。gamificationの例としてはもっともわかりやすいサービスの1つである「foursquare」 で採用されている「バッジ」という概念、つまり仮想的な報酬をユーザのモチベーション向上の仕掛けとして使うという発想の登場は、こうした流れを象徴していると言っていい。

「ゲームがもつ人を楽しませる要素」自体の研究については、gamification summitでもレポートしたように、アカデミックな領域の人達によってもかなりの程度進められてきている(ちなみに日本でもゲームのUIに注目したゲームニクス理論というものが提唱されているので、また追ってご紹介していきたい)。そういう意味ではゲームメカニクスをゲーム以外領域に適用しようという試みは何も新しいものではないのだが、それを幅広く受け入れる土壌がWeb上に出来上がってきたという点が、「なぜいまgamificationなのか」ということについての直接的な回答になろう。