ソーシャルリワード考察:事例から見る2種類の使い分け

 関連ポスト:

3種類のリワードを使いこなせ:マネタリーリワード、インナーリワード、ソーシャルリワード

・(今更ながら)マズローの欲求5段階説とゲーミフィケーション

 ゲーミフィケーションを考える上で、ユーザにどのようなリワードを付与するのかを設計することが重要であること、リワードの種類には3種類あるということを以前投稿しました。また、特に非金銭的なリワードであるソーシャルリワードとインナーリワードの重要性を説明する上で、マズローの欲求5段階説について引用しました。

マズローによれば、承認欲求には2段階あるとのことです。低次の承認欲求は「他者からの承認欲求、地位・ステータスの獲得欲求、名声、名誉、注目など」とあります。また高次の承認欲求は「自己承認、自己尊重、自信、自立感」とありました。こちらと自己実現の段階の差異について、マズローは「欠乏欲求」「存在欲求」という明確なラインを引いています。欠乏欲求には自己実現より下の4つの欲求、それと質的に異なるのが存在欲求であるという主張です。(僕はまだ理解が浅いようで、高次の承認欲求と自己実現欲求の違いは程度の差であってそこまで明確なラインあるのか?と気がしていますがどなたかご専門の方いらっしゃれば是非ご教授ください)

 本稿ではソーシャルリワードについて見てみたいと思います。低次の承認欲求、高次の承認欲求、自己実現欲求はソーシャルリワードによってどの程度満たされると考えられるでしょうか?リワードの事例を見ながら僕なりの考察をしてみます。

事例1)マイレージプログラム

・ソーシャルリワードの種類:優先搭乗の権利、ラウンジ利用の権利、プレミアムカード

それぞれどのような欲求を満たしていると考えられるでしょうか?

– 優先搭乗の権利:並んでいる人がいる中で先に搭乗できるのは注目を浴びているという感覚を得られるでしょう(自身で経験がありませんが・・・)。また同時に優先搭乗できない乗客と比べてステータスが獲得できているという実感も得られるでしょう。

– ラウンジ利用の権利、プレミアムカード:こちらはそれほど注目を受けることはありませんが、一定ランク以上であるというプレミアム感、VIPに扱われているという感覚などやはりステータス感が感じられるでしょう。プレミアムカードもデザイン的にはラグジュアリーを感じさせるものになっているおりVIP感を感じさせることにつながります。

 こうしたことから、マイレージプログラムで用意されているソーシャルリワードは比較的低次の承認欲求に訴えるものであると考えられます。

事例2)ブログ

・ソーシャルリワードの種類:投稿に対してのいいね数やPV数、ブログランキング

–       いいね数・PV数:これらの数値は自分で作成した記事がどの程度評価を受けたのか、どの程度読まれたのかを示しています。他者からの承認という要素もありますが、特にいいねがたくさんつくといい記事が書けたという自信につながります。それが何本も続くと自分のブログ作成能力について自己承認感・自己尊重感を持つことも出来るようになるでしょう。

–       ブログランキング:ランキングが高ければ注目、ステータスといった点も当然満足されるものと考えられますが、みんながみんな高いランクなわけではありません。ただ低いランクであってもランキングの推移が上昇傾向にあれば自信につながることはあるでしょうし、その人の中での相対的な自己承認感は高まることもあるでしょう。

 こうしたことから、ブログによく設置されているこうしたソーシャルリワードは、他者からの評価が主体となって変動する要素であるため、比較的高次な承認欲求に訴えることが出来ると考えられそうです。

 他者からの評価が大きく高まり、注目の度合いが増えたり他のメディアへの露出が伴ってより大きな影響力を実感できるようになってくれば自己実現欲求の充足ということにつながってくるのではないかと思います。

 こうしたことからなんとなく見えてくることとして、低次の承認欲求は外発生が強く、高次の承認欲求及び自己実現欲求は内発性が強いものとして位置付けられそうです。特に後者は自身の活動・行動やその結果生み出されたものに対しての社会的な評価が伴っていること、またそういう評価を受けている事自体が自信や自己承認を生み出し新たな活動の活力となっていること、というポジティブなスパイラルが形成されている状態がイメージされます。

 ソーシャルリワードとしては両方使い分けることが必要ですが、特に内発的な動機に結びつくような行動あるいはその結果に対してリワードが付与されるようにデザインすることが重要になりそうですね。

(Photo by “FACEBOOK LIKE”/ owenwbrown)

 

参考文献:

Wikipedia “Maslow’s hierarchy of needs”: http://en.wikipedia.org/wiki/Maslow’s_hierarchy_of_needs