チームマネジメントに応用するゲーミフィケーション ~可視化~

チームマネジメントにおける可視化を考える上では、前ポスト

チームマネジメントに応用するゲーミフィケーションフレームワーク  ~目的~

で述べたチームとして追求する目的・価値が何かということが明確になっていることが必要になります。その価値の追求に近づいていることをどのように可視化するかということをここでは考えます。

価値の可視化は実はかなり難易度が高いです。まずは可視化として数値で表現することを考えてみましょう。価値の向上を表現できる数値にはどんなものがあるでしょうか?例えば「ゲーミフィケーションビジネスを通じて利用者を動機付けること」を提供する価値だと考えてみましょう。この場合「利用者の動機付け」はどのように数値化することが出来るでしょうか。

単純に「動機」という抽象的な、また心理的な概念を数値化することは出来ないので、何かにそれを置き換えたり他の要素に分解したりして考えることになります。ある利用者が動機付いている状態を表現することとして、例えばサービスの利用頻度が上がったり、人にシェアする量が増えたり、といったことはそれほど間違ってはいなさそうに思えます。また、そうした利用者が何人くらいいるのか、あるいは増えたのかということも指標として有り得そうです。メンバーがこのような価値を提供できる能力レベルを数値化するというのも面白いと思います。能力が数値化できれば、能力の伸びも可視化することが出来ます。このように、価値を表現すると思える数値指標を洗い出すことをまずは考えます。

さらに、こうした指標が継続的に測定可能かどうかということも重要です。「可視化」ですから見えていることが重要です。測定自体に大きなコスト・手間がかかってしまうと結果として可視化を続けることができません。出来れば測定自体は機械的に実施できていることが望ましい状態ですが、チームマネジメントの場合必ずしも全てをオンライン上で表現出来るわけではないのでログを残すという発想そのものがそもそも適用しづらいという困難があります。

また、可視化したものをどこで見えるようにするかというのも意外に悩ましい課題です。簡単に見える状態になっていることが本来望ましいあり方です。ただオフィス内で見せるようにすると、紙に貼る・ホワイトボードに書くなどといったアナログな方法に寄ることになります。こうなるとグラフで推移を見せるといった見せ方の工夫が難しくなります。また見せられる数値の数もそれほど多くは設定ができません。かといってオンライン上で表現するとしても、必ずしもみんなが見に行くわけでもないため、何かしら定期的に見るような機会を意図的に作る必要があるでしょう。

今後検討を進めていくと、数値化を行うのは価値の追求に関することだけではないことがわかります。例えば各メンバーの状態を数値で可視化したり、また行われているソーシャルアクションを可視化するといったことも検討することになります。こちらでも同様の困難が発生します。なにより、数値化する対象が多くなりすぎるとそもそも複雑になりすぎてしまい理解するのが難しくなってしまいます。うまく対象を絞りつつ、継続的に更新できるような体制を整えることが大切ですので、まずは出来る範囲で少なめに数値を選択するところから始めるのが現実的でしょう。

 

このように、実践にあたってはこの可視化のステップが大きなハードルとなりそうです。最初から全てをやろうとせず、出来るところからまずは1つだけでも可視化するというところからはじめてみるとよいと思います。無理せず、継続することを優先させて考えてみてください。