ミュージシャンファンサイトに見るゲーミフィケーションを活用した「関係性構築」の実践

ここのところ、ゲーミフィケーションをWeb上での接客手法・顧客育成手法と見るというテーマでの投稿を続けています。今回は、具体的な実践例からこのテーマを眺めてみたいと思います。
紹介したいのは「Chamillionaire(カミリオネア)」という米国のミュージシャンのファン向けサイト「Chamillitary(カミリタリー)」です。彼はユニバーサルに所属しており、日本語でも紹介サイトがあります。グラミー賞に二度ノミネートされるなど米国では有名なアーティストですが、起業家としても活躍しており、面白いことにテクノロジー系のカンファレンスで講演するといった活動も行っています。

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「カミリタリー」トップページ

 それが理由ではないのでしょうが、このファンサイトはゲーミフィケーションの仕掛けを様々に取り入れており、ファンを楽しませながらサイトを盛り上げていこうという彼の意図を強く感じることができます。このサイトは第3回の米国ゲーミフィケーションサミットでも取り上げられており、彼の講演はオーディエンスからも非常にウケていました。

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画面上部に会員登録を促すバナーがある。
「ここしかないリワードがもらえるよ!」と書いてある

 ゲーミフィケーションの仕掛けとしては比較的シンプルで、ファンサイトにアクセスしたり、サイト内での様々な活動に参加したりすることでバッジやポイントがもらえるようなものになっています。面白いのは、ユーザからの投稿を広く受け付けているところで、写真や動画といった投稿をたくさん見ることができます。まるでファン同士が、いかに自分がカミリオネアを好きかということを競っているかのような状況が見られます。(是非皆さんも実際に遊んでみて下さい)

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 接客の観点から見たこのサイトの面白さは、「ファンならそれは嬉しいだろうな」と思えるようなリワードが色々と用意されている点です。まず目につくのはこちら。

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 これは「カミリオネアと電話で話せる」というものです。30分間、彼と何でも好きな事を話ができる権利が毎月一名に当たります。これはサイト内で活動すればするほど当たりやすくなるという仕組みです。これはファンにとっては、お金には変えられない相当嬉しいリワードではないでしょうか。強力なインナー的要素を備えたリワードの1つと言っていいと思います。カミリオネアのサービス精神が伺えるリワードではないでしょうか。

また、懸賞系のものとしてはサイン入りオリジナルグッズもリワードとして用意されています。こちらも世の中に1つしかないグッズがもらえるというものです。

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 他にも、もう少し簡単に手に入れることができるリワードとして、ツイッターでカミリオネアがフォローしてくれる、というようなものもありますし、彼のCDや、彼に関する商品などにサインをつける、といったものもあります。

いずれのリワードも、ファンとの関係性作りということを強く意識していると思いますし、ファンはカミリオネア本人との距離が近づいているかのような感覚を持つことができます。単なる情報発信型のファンサイトということだけでなく、ゲーミフィケーションを使い、うまく「関係性構築」を表現しているサイトになっています。もちろん数少ないリワードを狙ってファン同士が競い合い、サイトが盛り上がることも期待できるでしょう。

彼のサイトは、ゲーミフィケーションの実践に際し参考になることが多々含まれていますので、みなさんも是非一度ご覧ください。次回は、さらにこのサイトの完成度を高めるために、ゲーミフィケーションの観点がどのように有効に使われているのかについて説明しようと思います。