gamification summit初日(7) ベンダーセッション:BunchBall,Bigdoor,Badgeville,IActionable

さて、ようやく最後のセッションまで来た。最後は、スポンサー企業であるgamificationベンダーのセッションだ。gamificationベンダー、とは、Webサイトをgamification対応するためのサービスを提供している企業のことである。SaaS型サービスとなっており彼らの仕組みをサイトに仕掛けることであなたのサイトがgamification対応しますよ、という代物である。

大まかには、サイト内の行動をトラッキングする仕組みがあり、一連の行動に対してポイント付与や称号付与をするためのルールベースを定めることが出来、それに従ったポイント・称号といったリワードを付与する仕組みがあり、ユーザ同士で競えるような順位表や協働型のミッションを作ることが出来る、といった機能を持っている。

このセッションが面白かったのは、ベンダー側が自分の言いたいこと言う(宣伝的な意味合いの強い)セッションというよりは、登壇者にVCも交えて「本当に有効な仕組みなのか?」を議論しようという主旨であった点だ。ベンダー側企業は基本的に4社とも本カンファレンスのスポンサー企業であって彼らのお金でこの会が運営されているはずなのだが、容赦がないというかよく言えば面白い・有意義なものにしようという意図が感じられるのはシリコンバレー的?ということなのだろうか。

・クライアントをどのように納得させているのか?

  • ゲームメカニクスがロイヤリティを向上させる、という仕組みであると説明している
  • コアコミュニティがあるかどうか、ソーシャル性を生かせるかどうかが重要である
  • ユーザコミュニティは何らかの形で必要である
  • 例えばブログだとコメントを残すことくらいしかユーザは出来ないが、このサービスを入れることでユーザが出来ることが増える

・このサービスの価値はなにか?

  • サイトに来るユーザの種類(初心者、リピーター、など)に合わせた仕掛けを提供できる
  • グーグルアナリティクスのようなアクセス解析ではなく、ユーザの種類を分析する仕組みである
  • サイトに訪れているほとんどのユーザは価値をもたらしていないが、価値をもたらすユーザに変えていく仕組みである
  • ユーザにリアルタイムフィードバックを返していくことでもっとアクティブになってもらえるようにする仕組みである
・5年後はどうなっていると思うか?
  • 「gamification」という単語自体は(実は)どうかと思っている
  • 自社の営業時には「gamification」という単語は使っておらず、「modern loyalty」という表現をしている
  • ロイヤリティセグメンテーション、という言葉のほうがわかりやすいかもしれない
一方でVC側から提示された疑問としては
  • アップル、facebook、Androidなど既に大きなプラットホームがあるのに既存のサイトにユーザをリピートさせるという仕掛け自体にそもそも意味があるのか
  • ゲームメカニクス自体はたしかに興味深いが、本当に必要なものは現時点では揃っていないのではないか
というところであった。
ディスカッション全体の論調としては、
  • ゲームメカニクス自体は確かに根本的な要素であって有用であると言えるだろう
  • ただし現状、各ベンダーが提供している仕組み自体が有効かどうかは現時点ではなんとも言えない
  • gamification、という単語自体はミスリーディングである
というような感じであった。
ベンダー側の課題としては、効果の程をどれだけ明瞭に説明できるかということになる。今後に期待、ということだ。興味深かったのは、ベンダー自身も「gamification」という単語には説明しづらいニュアンスを感じているようで、「翻訳が難しい」という投稿を本サイトでも以前していたのとほぼ同じような違和感は彼らも持っている点だ。そうすると、翻訳がしづらいというよりも概念自体をわかりやすく表現する言葉がまだ出てきていないということなのだろう。
そうなると、このサイト自体の有り様はどうしていくべきだろう、ということもやや悩ましくなってしまいそうである。将来的には異なる単語でこの領域のことは表現されるようになるかもしれない。・・・が、まあその時はその時ということで、あっさりサイト名を変えることにしよう。
さて、1日目のレポーティングはこれでひと通り終了である。次回以降は2日目のレポーティングとしていきたい。