gamification summit2日目(1) design over time

2日目を書き出すのにちょっと間が空いてしまった。この日は1日目とはちょっと様式が違っていて、「実際にどのようにしていくのか」ということをレクチャーするというやり方になっている。1日目でも議論になったのが、「そうは言っても実際はどのようにgamificationをデザインしてサイトに取り入れるのか」という点であったが、2日目でその手法を教えましょうということである。良くできたカンファレンスだ。

で、実際にそんなうまくいくような手法があるのか?と思うわけだがこれがなかなか、かなり考えられた手法がこの日丸1日をかけて伝授されるのである。資料も現時点ではslideshareで共有されていたりもする。本ブログ的には「この資料読んでください」で終了してしまいかねないくらいの気前の良さだ。しかしさすがにそれだとあんまりなので、要点を説明していきたい。

2日目は、上記のような主旨で、「design for ○○」、つまり「○○をデザインしよう」といういくつかのセッションで構成されている。○○に入るのは、

  1. over time
  2. social
  3. progress
  4. customization
  5. engagement

の5つだ。意味するところは、それぞれ

  1. プレイヤーの進行状況に応じ変化をつくろう
  2. 他のユーザと関われる、ソーシャル性を盛り込もう
  3. 進行状況が目に見えるようにし、ユーザが迷わなくていいようにしよう
  4. ユーザが自由にカスタマイズ出来るような要素(主にはバーチャルグッズを用いた)を盛り込もう
  5. ユーザエンゲージメントを高める工夫をしよう

というようなことである。1つずつ、見ていこう。

1)プレイヤーの進行状況に応じ変化を作ろう:

「進行状況」と言っているのは具体的にはユーザ層を「ライトユーザ」「ミドルユーザ」「ヘビーユーザ」という3つのグループに分けることを意味している。通常のサイトだと、うまい・ヘタという概念は合わないのでロイヤリティの高さ(=サイトへの訪問頻度の高さ、より高度な機能の利用、累計購入金額の大きさ、などで判断することになる)でのグルーピングと考えるのが妥当だろう。

ここでポイントとなるのは、ユーザが属するグループによって、求めるニーズが異なってくるということである。ライトユーザ、つまりサイトに来たてでまだ慣れていないユーザに対してはわかりやすく次にどういうことをすべきかを指し示してあげたり(ゲームで言うところのチュートリアル的な要素)、簡単に達成できるなと思えるような報酬(仮想的なもの、実態を伴うもの問わず)を用意したり、というような要素を盛り込むとよいだろう。慣れてきたミドルユーザに対しては、常に新鮮なコンテンツがあることや、自分なりにカスタマイズ出来るような要素を提供し、もっとヘビーに使うユーザに対しては特別な限定サービスを提供したり、順位表で争ったりといった楽しみ方を用意する。どの層にどんな要素を提供するのかというところについてはアイデア次第で色々と考えることが出来るだろう。

もう1つポイントとなるのは、最初はライトユーザであるところのユーザが、どのようなきっかけを通じてミドルになり、そしてヘビーになるのか、というシナリオをしっかりと設計することである。ここではなるべく具体的に、それぞれのステージのユーザがどんな行動をすることで次のステージにいくのか、というシナリオを作成しよう、という手法が紹介されていた。

上記リンク先で紹介しているスライドだとP37~52がここに該当するので、より詳しく知りたい方はそちらを参照いただきたい。

そもそもゲーム以外のサービスでこうした発想を持って作られているサービスは現時点ではほとんどないと言っていいだろう。特にライトユーザ向けの施策まで考えられている例というのはあまり見ない。gamificationのリアルでの事例としてよく紹介されるのは飛行機のマイレージプログラムだが、ライトユーザ向けの施策はやはりそれほど多くは用意されていない。ここは改善の余地がある部分と言えそうだ。よくお店などで提供されているポイントカードも、10個貯まると金券化するというようなものはよくあるが、こちらもライトユーザ向けにはあまり考慮されているとは言えないだろう。一方でソーシャルゲームの領域では「継続率」がKPIとして非常に重視されているが、こちらは明らかにライトユーザをいかにミドル、ヘビーにしていくか、という発想である。こういう領域で実践されている手法を見ていけば、他の領域で応用できる手法をたくさん見つけることが出来る。

2つ目以降、次回に続く。