みなさん、こんにちは。Uogishiです。
今回は、自動車メーカーが実施しているサービスの中から
米国スバルが実施している「Subaru Badge of Ownership」をご紹介します。
自動車メーカーが本来の目的(車の販売)から逸れない状態で
顧客のロイヤリティを維持・向上させることができている好事例です。
どのような仕組みになっているのか一緒に見ていきましょう。
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Subaru Badge of Ownershipとは
2010年5月に、米国スバルがスバル車オーナーに対して、提供を始めたサービス。
米国スバルの専用フォームから申し込むことで、実際に車に貼るバッジが貰える。
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1:オーナーにしか得られない権利
このサービスは、米国在住のスバル車のオーナーのみが無料で利用可能なサービスです。
スバルのオーナーの証であるオーナーシップ・バッジは、「Subaru Badge of Ownership」
にアクセスをして「車両識別番号(VIN)」を含む個人情報を送信することでバッジを入手
することができます。
2:ライフスタイルアイコンによる自己表現
ライフスタイルアイコンで以下のような表現ができます。
①自分の趣味、個性の表現、現在22のアイコンが存在していますが自分自身の
ライフスタイルに合わせたアイコンを選択して組み合わせることができます。
②過去に乗り継いできた、今現在所有しているスバル車の台数を主張できます。
一台目の初めてのスバル車の場合「1st」となり、家族でスバル車をまた購入した場合
などでバッジに表示される数値が増える仕組みになっています。
※新車乗り換え、購入後、「Subaru Badge of Ownership」にてバッジの更新申請が必要。
これらのライフスタイルと、乗り継いできた。
家族でずっとスバル車を購入していることでユーザー独自の
ストーリー表現ができるようになります。
例えば、「家族で乗っている」、「アウトドアに行く」、「100K miles(10万キロ)を走った」
など3つを選択して組み合わせた場合。
「家族でアウトドアを楽しむときに、スバルの車を乗り10万キロを走った」
ということになります。
さらに言えばそこから時が経ち、家族の誰か(息子や娘が)スバル車を購入した
などにより、オーナーシップ・バッジの数値が上がり「スバル車を好んで利用している」
ことを対外的に証明し続けることができるようになっています。
まとめ
①世界観:ユーザーが自分のライフスタイル(人生、生き方)をバッジで表現できる。
②可視化:仮想ではなく現実に存在するバッジで行動を可視化する。
③上級者向け:家族、親子世代でメーカーの車を乗り継ぐ、複数台所有する。
今回は、従来のWEBサービスのみで完結するものではありません。
過去数十年前に、一部の海外メーカー(VWのビートル)などメーターの桁数不足
により計測、可視化できなった走行距離を現すカーバッジが存在していました。
それをより、今の時代のニーズに合わせ「自分のライフスタイルの表現」と
「メーカー、車へのこだわり」(顧客自身が自ら抱いているメーカーへの愛着)
をバッジで可視化しやすくなった結果より細やかに顧客ロイヤリティの向上につながる
行動の可視化ができるようになった面白い仕組みではないでしょうか?
また、今後可能ならば日本での展開と、車の購入してからの行動だけでなく
「試乗など購入手前の行動」も評価され、「他人に周知できる状態」になるとより
楽しめる仕組みになると思います。
それでは、次回の記事でお会いしましょう。