このサイトをご覧の方は番組を見られた方も多いと思いますが、先週1/25のNHK「クローズアップ現代」にて、ゲーミフィケーションが取り上げられました。タイトルは「ゲームが未来を救う!? ~広がるゲーミフィケーション~」でした(見逃された方はNHKオンデマンドで見ることができます)。NHKで取り上げれるようになる事自体、現象としての盛り上がりが感じられるところです。本ブログのアクセス数もその日を境にぐっと伸びています。ゆめみで実施したGabeを呼んだ講演でも取材が入っていましたが、番組前半で少し使われていましたね(ちょっと短かったのは残念ですが^^;)。
全体的に、非常にわかりやすくゲーミフィケーションの概念を説明している番組だと思います。ただ、非常に幅広くゲーミフィケーションの概念を捉えて事例が紹介されていたので、シリアスゲームに分類されるようなものも包含されてしまいました。こう見せてしまうと「やっぱりゲームだよね」となってしまうのでそこはうまく区別があるとよかったですね(ただ、30分の番組でそこまで説明するのも難しいかもしれません)。
番組中で紹介されていた事例は以下です。
- 樹立(きりつ)の森 リハビリウム(リハビリを支援するゲーム。紹介ページが見当たらなかったのでCEDECのセッション紹介記事へリンクしてます)
- i-DM(intelligent driving master) マツダ (demioに搭載されている運転評価システム。全国大会として「JDF(Japan Driving Fest)」というキャンペーンも実施していたようです)
- Nike+(ランナーコミュニティ)
- Gabe Zichermann講演(Techwave記事へ)
- シンクスマイル(人事評価にバッジの仕組み導入)
- foldit(エイズ治療薬のためのタンパク質構造解明ゲーム)
- Internet Eyes(イギリス、監視カメラの映像をネット上で共有し万引きなどの犯罪をみんなで監視しようという試み)
- Investigae your MP’s expenses(イギリス、議員の経費不正利用をみんなで検知しようという試み)
- Evoke(貧困などの社会問題を解決するための、世界銀行提供のシリアスゲーム)
番組後半でなんでもゲームにしてしまうことに対する懸念について司会の方から質問があったことは、ゲーミフィケーションの考え方が浸透する上でのハードルを象徴的に表しているなと思いました。米国ではこのハードルを超えるのにおよそ半年~1年くらいかかっていた印象なので、日本でも同じくらいの時間がかかるのだろうと想像していますが、それをいかに短く出来るかを頑張らないといけないですね。実際、「ゲーム」という言葉の印象がハードルとなって社内稟議がなかなか通らない、というような声は何度か耳にするようになりました。産みの苦しみとはいえうまく別の言い方も用意するなど考えて、浸透し切るまでの間は少し工夫が必要なのかもしれません。